「達矢、お前チョコいくつだった?俺、28個だぜ。」
と、真矢から10メートル離れた所にいる正矢がチョコの入った袋を自慢げに見せる。
あれれ、これって去年も言ってたよね。でも誰に向かって言ってるんだろう。
そこに突然達矢が現れて、チョコレートの数を数えて
「・・・29個」と呟いた。
「えー、負けかよ。ちくしょう。」正矢ほっぺたブー。
真矢が正矢に話しかけた。
「待って。正矢。これ、お前にって。そこで知らない人が。」
ラッピングされた可愛い袋を渡す。
ちょっと待てよ。このまま話すと確かケンカになる!どうしよう!
「真兄、それ嘘だろ。真兄は知らない人から貰わないし、絶対名前聞くもんな。」
あ、やっぱり言われた。
「ち、違うよ。」ブンブンと首を横に振る真矢。
「じゃあ、このレシートは何だよ。買ってきたんだろ?」
ポケットに隠しておいたレシートはいつの間にか達矢に取られていた。